平成30年度入学式 式辞

平成30年度京都府立医科大学入学式(平成30年4月4日)
竹中学長式辞
 
 
 山の緑に、桜の花が混じる大変美しい春酣の本日、京都府立医科大学医学部医学科及び看護学科に入学される皆さん、学長として心より歓迎いたします。また、ご父兄並びに保護者の皆様にも大学を代表してお祝いを申し上げます。
山内京都府副知事様、村田京都府議会議長様はじめ御列席の来賓の方々にも御礼申し上げます。
 
  さて、少子超高齢化社会が到来し、地域創生や働き方改革が大きな社会課題、政策課題となっている今日、医学部を取り巻く環境の変化は恐ろしいスピードで展開されています。
医学科に入学される皆さんが、実際に社会で一人の医師、医学者として活躍されるのは、学生時代の6年に加え、卒後臨床研修が6−7年、大学院や研修後の臨床研鑽を加えると更に6−7年かかります。即ち、自立した職業人として、患者さんや研究を遂行するには、今日から約20年の月日が必要です。2025年問題から引き続く少子超高齢多死社会を超え、人口減少が持続する2040年問題以降に、皆さんの実力が問われることになります。
一方、看護学科に入学された皆さんは、少子超高齢多死社会に看護師としての実務を担当されます。急性期医療から介護や福祉に複層的に展開される医療の大きな変貌が予想され、看護の実力と働きが多様な観点から評価される時代を体験されることになります。
 
  この15年間は、想像を絶する早さで医療提供が変わることになります。その一つは、ゲノム医療の登場です。医学は、予防医療や適正な治療方法選択に大きく舵を切るものと考えています。もう一つの大きな要素はAIやIoTの進歩による現場の様変わりです。医療現場にある多くの専門領域で、人から医療機器やロボットの世界に展開されて行きます。我々は、自動運転のバスやタクシーを容易に予想しますが、医療も自動車も横並びの時代です。
更に大きな要素は、医学・医療のさらなる進歩で、健やかさや障害の考え方が変遷をしていくことで、対象自体が変わると思われます。本日、入学の皆さんは、我が国の未曾有の変化を医療の現場で体験されることになります。
一方、大学は近未来の医学・医療の世界を予測し、教育体制を組み立て、広く国民、府民の信頼を得ることに努めなければなりません。
大学改革や医学教育改革が求められる中、過去・現在・未来を通じて変わらないことは、大学は教育を行う時空間であることです。皆さんは卒業されると、各々、医学や看護の学士を名乗ることになります。その基準となるデイプロマポリシー即ち、卒業の条件を厳密に運用していきます。
また、カリキュラムを適正に持続的に改訂し運用します。教育に学生の皆さんの意見を反映する機会を設けたいと考えています。
何よりも教育を通して教員・職員と学生が共に育つ風土を、京都府立医科大学に育みたいと考えています。
 
  本学大学院の各課程に入学された皆さん、入学おめでとうございます。大学院は成人された皆さんが自ら進んで選ばれた研究機関であります。しかし、最近の大学院改革の示す方向は、教育機能の充実とシステム構築が課題とされています。本学においても、質の高い研究を担保するための大きな目標でもあります。加えて大学院は多彩な教員による多方向からの研究指導も必須とされています。本学においては教授選考にも大学院改革に取り組むことを明記しております。学び研究する人たちとその成果が大きく成長することを希望して止みません。
 
  御承知のように本学は長い歴史と伝統を持っています。旧憲法下の大学令発布時と同じ大学名を保っている公立大学は京都府立医科大学のみです。100年が経とうとしています。また、療病院設置後146年を迎えます。皆さんは、在学中にこれらの二つの記念日を大学と祝うことになります。伝統と歴史を世に問う学是が、「世界トップレベルの医学・医療を地域に」と我々は考えています。皆さんと一緒にこの夢の実現に務めてまいります。
禅語に「百尺の竿頭一歩前に」があります。困難な路であっても、決断して一歩を進める心です。現在の私の心境を申し述べるとこのようになります。
 
  これを以て、平成30年度京都府立医科大学入学式学長式辞といたします。
 
 
平成30年4月4日
京都府立医科大学  学長 竹中 洋
 
 
 
 
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